イリノイの閑話休題強盗

The Illinois kanwaQ-die Bandit

与太話なしでは生きていけない作家・吉川良太郎ブログ


18世紀英国医学ロマン『解剖医ハンター』(吉川良太郎 原作=脚本)
徳間書店より全三巻発売中。
*原作に関する虚偽情報にお気を付けください。
また上の事情によりコメントは承認制にしました。
詳細はプロフィール欄を参照してください。

SF短編アンソロジー『SF JACK』
角川書店より発売中。
第二十八回鮎川哲也賞・第十五回ミステリーズ!新人賞

の、贈賞式にお招きいただきました。

で、行ってきました。

 

第二十八回鮎川哲也賞

川澄浩平『探偵は教室にいない』

(応募時のタイトル『学校に行かない探偵』)

 

第十五回ミステリーズ!新人賞

齋藤飛鳥『屍実盛』(かばねさねもり)

 

おめでとうございます!

 

 

……と、先月末のイベントの話を今頃書いてるのは

御恵贈いただいた二作をちゃんと読んでから書こうと思ったからです。

いや、式までに読んではいたんだけども、

もういっぺん読み返してからと思ってたらこんな時期に。すいません。

 

で、

 

川澄浩平『探偵は教室にいない』

川澄さんはこれ以前、マンガ原作のお仕事でも活躍されていたとのことで

ちょっとだけ親近感がわきましたが、受賞作を読んでみると……

 

 

主人公は北海道在住の女の子。所属するバスケ部でおこる小さな謎を解くため

近所の幼馴染(男子)に相談するが、彼は甘い物好きでちょっと変わり者で……

 

 

青春ミステリ! 日常の謎系! あまずっぱ! 

親近感とかいってすいませんでした。異世界の方でした。

というかヨシカワから見ればファーストコンタクトのような読書体験でした。

もちろんこっちが宇宙人ですが。

 

謎解きと中学生たちの心理の描写がとても丁寧、主要キャラクターも立っていて、

地球人の読者にはきっと心に響く一作。

宇宙人には大変に勉強になる本。日々是勉強。

 

そして、

 

齋藤飛鳥『屍実盛』

 

「五つの首なし死体の中から、ある人物の遺体を探せ」

京を支配した木曽義仲が零落しつつある平頼盛に依頼したのは、

前代未聞の奇妙な人探し。断ればこっちの首が飛ぶ。

頼盛はいかにして依頼に応えるのか……?

 

選評でも多くの先生方が褒めておられたが、これは確かに新機軸な謎。

源平時代で法医学ものとでもいうべき設定、

依頼人が凶暴な木曽義仲というのもスリリングでグッドです。

デビュー当時、

「なんであなたの作品は、いつも人の首がもげるの?」

「それはね、フランスだからだよ」

という妻と交わした会話をふと思い出してみる人間には

なんか、こう、居心地のいい作品。堪能いたしました。

まあぼくの話はいいんだ。

 

というわけで、あらためて、

川澄さん、齋藤さん、おめでとうございます。

 

 

あと、あちこちで作家さんやイラストレーターさんに御挨拶したり談笑したり

漫画家の喜国雅彦さんに御挨拶して貴重なお話を聞かせてもらったり

初めて会う編集者さんに紹介してもらったりずっと作品を待ってもらってる編集者さんに土下座したり(イメージ映像です)

楽しい時間を過ごさせていただきました。

 

で、「ずっと待っていただいてる作品」が、また動き出しました。

某仕事に振り回されて(その話はいずれまた)ひどい精神的・経済的ダメージを負って数年、

手負いの亀の歩みで進めざるを得なかったのですが、ちょっと本腰入れて頑張ります。

| 吉川良太郎 | 雑記 | 15:08 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
書き残しておくべきか

世田谷区、山本さほさんとのトラブルについて経緯公表 「おおむね同様の趣旨のやりとりがあった」と認める

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181004-00000081-it_nlab-sci

 

漫画家・山本さほさんの巻き込まれたひどい災難を知って

自分がかつて体験した不条理なトラブルのことを思い出した(小説の仕事ではないです)

結局、詳細は公表しないまま現在にいたるのだが

こういうのは他の作家や作家を志す人たちのために書き残しておくべきなのかな。

ちょっと考え中。

 

| 吉川良太郎 | - | 14:55 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
「神」というテーマ、とマンガ

昔、某氏が

「日本のマンガがキリスト教の神を描こうとすると たいてい半端なところで終わるか、

キリスト教をモデルにした架空の宗教でごまかしてしまう」

と言っていた

例として挙げていたのが『ベルセルク』

ぼくは『ベルセルク』をちゃんと読んでいないのだけど

まあ、たぶんそうなるだろうなあ、とは思う。

 

政治的な理由とか、 実は掘り下げるとあまりにディープなテーマであることとか

(でなければトマス・アクィナスは『神学大全』を完成させただろう)

よりもまず 「マンガという媒体が収められる情報量」 の問題がある気がする。

今のマンガはだいたい一ページ五コマくらいだと思うけど、

それで本気で「神」というテーマを描くということは、

二千年ちかい聖書と神学と哲学と政治の歴史を踏まえてしかも娯楽性のある物語に落とし込むというのは

『果てしなき流れの果てに』をショートショートで、

くらい無理があるように思う。

 

手塚治虫の時代のマンガを見ると平気で一ページ9コマくらい、

必要とあらばコマがまるまる文字だけということもあるけど

それでもたぶん難しい。

そもそも現在そんなコマ割りでマンガを描かせてくれる編集者はいないだろう。

 

でも、もしかすると、石ノ森章太郎なら案外できたかもしれない

最初から言葉で思考せず「詩」のように書くならば。

それに需要があるのかどうか知らないけど。

 

といったことを石川雅之『純潔のマリア』を読みながらぼんやり思った。

猫かわいい。

| 吉川良太郎 | 雑記 | 14:54 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
更新

またちょこっと更新。

 

某SNSから転載ですが、暇つぶしにどうぞ。

| 吉川良太郎 | 雑記 | 16:30 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
きみと本の話がしたいのだ

 

きみと本の話がしたいのだ   第八回 コミック版『くるぐる使い』

 

シミルボン様で連載させていただいている、

趣味が真逆の妻にヨシカワのフェイバリットを薦めるという

家庭内ビブリオバトル。

 

彼女もファンの大槻ケンヂの本なら興味を持つんじゃないかしら。

でも活字の本ってあまり読まない人なんだよな。

あ、コミック版がある!

 

というわけで今回は

大槻ケンジ原作、大橋薫作画『くるぐる使い』

を薦めてみようという。

 

七回の予定で始めたんですが

少々オーバーしてしまいました。

次回で最終回でございます。
どうぞよろしく。

| 吉川良太郎 | 仕事 | 16:29 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
文学史上の有名な悪女を集めてキャバクラを作ったらどうなるだろう

と、ふと空想する。

 

谷崎潤一郎『痴人の愛』 ナオミ

金づるを生かさず殺さず。

 

オスカー・ワイルド『サロメ』 王女サロメ

惚れっぽい上に、失恋するとすぐ殺す。

 

マルキ・ド・サド『悪徳の栄え』 ジュリエット

たぶん売上金持って逃げる。あと、すぐ殺す。

 

プロスペル・メリメ『カルメン』

二人に貢がせてたら一方の客が逆上して殺される。

 

アベ・プレヴォー『マノン・レスコー』

なんかいろいろあって関係者が全員死ぬ。

 

小野小町

「百日通ってくれたら……ウフフ」

とか言って客を釣ってたら 百日目に店の前で死なれる。

 

江戸川乱歩『黒蜥蜴』

盗癖がある。あとイケメンは殺して剥製にする。

 

ザッヘル・マゾッホ『毛皮を着たヴィーナス』 ワンダ

お店を間違ってる。

 

ウラジーミル・ナボコフ『ロリータ』

店長が逮捕される。

 

 

ひと月もたず閉店しそうな気がする。

| 吉川良太郎 | 雑記 | 16:28 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
指圧の心はがしゃどくろ

どういう意味なのか書いてる本人にもわからないが

思いついたら書けばいいってもんですよ。

たぶん押したら黄泉が湧く。

| 吉川良太郎 | - | 16:27 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
更新しました

前回『ニンジャバットマン』オススメ記事を載せたついでに

某SNSで書いてたバカ日記をいくつか転載してみましたが

意外と多くのお運びでちょっとビックリ。

こんな過疎ブログでもまだ見ておられるお客さんがいるのだなあ。

 

じゃあもうちょっと、ということで

さらにいくつか転載しました。

暇つぶしにどうぞ。

| 吉川良太郎 | 雑記 | 08:55 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
雑記

フランス人に

「生きていくのに一番必要なものは?」

とたずねると老若男女十中八九が

「愛」と答えるそうな。

男女のそれだけでなく家族愛や友情も含めて。

日本人は斜に構えた感じで「金」と答える気がする。

 

これだけ聞けばさすがフランス人はロマンチストだねとしか思わないけど

実際の彼らは欧米で一、二を争うケチであることは有名だ。

よく言えば経済観念が発達しているというべきか。

しかしフランスの歴史をふまえて上の質問の答えを考えると彼らは

「金が役に立たなくなる可能性」

を知っているんじゃないか

と、ふと思った。

 

プロシアに包囲されたりナチスに占領されたり(ドイツばっかりだな)したとき

頼りになるのは

「どれだけ金持ってるか」

より

「どれだけ友人がいるか」

だと。

 

無法の野盗集団が

「こんなもん今じゃケツを拭く紙にもなりゃしねえぜ!」

と一万円札の札束を投げ捨てて水と食料を奪っていく

『北斗の拳』第一話のあの世界になったら

そりゃ親戚が牙一族だとか拳王軍に友達がいる

とかの方が断然生き残れるもんな。

 

愛って大事。

と思って、ももさんの頭をなでてみた。

 

 

あ! でも言い方を変えると愛というより

「コネが大事」ってことかもしれない!

日本もフランスも、ものをいうのはコネですよ! コネコネ社会ですよ! 妻ー!(福満しげゆき風)

 

 

無論、どっちもあれば万々歳なのですが

備えあれば憂いなしなので

今のうちデビルリバースあたりと友達になっておきたいです。

 

「あんちゃんだよー、おまえのあんちゃんだよー」

「えー、ほんとにあんちゃんかー?」

 

最後はまとめてケンシロウにボコられますが。

| 吉川良太郎 | - | 04:01 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
雑記

ももさんと話してて、なぜか『DRスランプ』の話題になる。

あのギャグのムチャクチャさって最近のマンガでは見ないねとか。

 

「『アラレちゃんのパンチで吹っ飛んで地球一周して戻ってくる』

というギャグを現実にやったら

たぶん軽く音速の壁を超えてるから

空気摩擦で燃え尽きるか焼け焦げた肉塊が背後から高速で飛んでくる

というホラーな状況になるんだろうね」

 

怖い話になってしまったのでそこで終わった。

いつものことよ。

| 吉川良太郎 | - | 03:59 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
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