イリノイの閑話休題強盗

The Illinois kanwaQ-die Bandit

与太話なしでは生きていけない作家・吉川良太郎ブログ


18世紀英国医学ロマン『解剖医ハンター』(吉川良太郎 原作=脚本)
徳間書店より全三巻発売中。
*原作に関する虚偽情報にお気を付けください。
また上の事情によりコメントは承認制にしました。
詳細はプロフィール欄を参照してください。

SF短編アンソロジー『SF JACK』
角川書店より発売中。
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ニンジャバットマン

先月、夫婦の誕生日に(ぼくが6月17日、ももさんが18日なので、まとめてお祝いするのである)

映画『ニンジャバットマン』を観てきた。

で、パンフレットに「気に入ったらぜひ周囲にオススメしてくれ」みたいなことがかいてあったので

某SNSで感想文みたいなものを書いたんだけども

「いまどき某SNSじゃなあ……」

と、ももさんが言うので、こちらに転載してみる。

遅ればせ&微力な過疎ブログながら

『ニンジャバットマン』の興行成績に少しでも貢献できますように。

いい映画だから。

(あと、ついでに関係ない日記もいくつか更新しました)

 

以下、転載。

 

 

ももさんと『ニンジャバットマン』見てきた誕生日。字余り。

バットマンはもともと

「もしも○○時代にバットマンがいたら?」

というパラレルワールド的なネタをちょくちょくやるのだけど

(十九世紀にバットマンが活躍する『ゴッサム・バイ・ガスライト』とか)

 

これは21世紀のゴッサムシティから

バットマンと名だたるヴィラン(悪役)たちが 戦国時代の日本へタイムスリップする話。

なんとヴィランたちは有名な戦国武将とすりかわっていた!

 

経済に強いペンギンは武田信玄に(金山や甲州金からのイメージか)

魔性の美女ポイズンアイビーは上杉謙信に(「謙信女性説」かな?)

隻眼の狙撃手デスストロークは伊達政宗に(説明不要か)

「二者択一」にとり憑かれたトゥーフェイスは明智光秀に(うーん、これはちょっと微妙)

そしてあのジョーカーは織田信長に!(クレイジー!!!!!)

 

バットマンは彼らを捕まえてもとの時代へ帰ろうとするのだが

バットモービルをはじめ自慢のハイテク装備は早々に全部オシャカ

十六世紀の日本でさあどうしよう、という。

 

CM観て

「大六天魔王ジョーカーとお小姓(森蘭丸)ハーレクイン」

がメインの悪役かと思っていたのだけど、

いや実際そうなんだけども、

それ以上に事件の発端からクライマックスまで

豊臣秀吉=ゴリラ・グロッド(秀吉……猿……そう来たか!)が陰謀をめぐらし大活躍。

簡単にいうと人類の駆逐と世界征服を企むすごく賢いゴリラ。

そもそも事件の発端になるタイムマシン作ったのもこのゴリラ。

一人猿の惑星。

ちなみに「五三の桐」の紋はバナナになってる。

今作中のヴィランのなかで唯一これまでのバットマン映画に登場していない、

というか原作でもかなりマイナーな悪役なんだが、

こういう忘れられたキャラが突然リニューアルされてメインを張ったりするのが

アメコミのおもしろいところだ。

近年の映画では『ターザン・リボーン』『キングコング 髑髏島の巨神』に匹敵するゴリラ密度。

(今気づいたが、ゴリラ・グロッドと、さらにマイナーな悪役「ゴリラ・ボス」がごっちゃになってました。すいません)

 

 

こんなムチャクチャやっても許してくれたDC社の寛容さ。

みたいな話をちらほら聞いたけど

実際は

「アメリカの映画・マンガ・アニメオタクが日本の作品に求めるもの」

を これでもかと詰め込んだゴージャスな幕の内弁当のようなデキなので

あちらはむしろ願ったり叶ったりじゃないかしら。

ニンジャにサムライにでっかい漢字デザインにオリエンタルな意匠のあれこれ、

巨大ロボ、合体変身、セクシーと「カワイイ」をミックスしたヒロインたち、

あとは『椿三十郎』や『子連れ狼』みたいな「スプラッター時代劇」があれば

むこうの映画オタクは狂喜乱舞だろうが

バットマンでスプラッターはちょっと難しいのかな。

 

ストーリーは「こまけえことはいいんだよ!」な話でむしろ痛快。

映像の力とあいまって観客を圧倒しグイグイ引っ張っていく。

SFも歴史も大の苦手なももさんでも楽しめたんだからすごいものだ

最近の重くて暗くて湿っぽいバットマン(好きだけど)が苦手な人と

ゴリラが好きな人にオススメ。

いいよね、ゴリラ。

 

最初「90分かあ。短いなあ」とか思ってましたが、それでちょうどいい長さでしたね。
あれ以上やったら観客がグッタリします。あとアニメーターが何人か死にます。

 

途中、急に絵柄がアート系アニメーション風になるシーンで

観客も演者もみんな驚いたそうだだけど(無論ぼくも驚いたけど)

ももさんの感想は

「ハーレクインてメイク落とすと割と地味な顔ね」

女性は目の付け所が違うと思った。

 

 

これシリーズ化したら面白いなあ。

なんでもできるし。

特典でもらった昭和風のイカすポスターから

『ヤクザバットマン』とか想像してみる。

バットマンの悪役ってだいたいギャングのボスって設定だし

案外いけるんじゃないか。

 

「おまえらーバットマンいうたらビビリやがってぇー」
(会議の席で他のギャングのボスを叱咤するジョーカー)

「アイスバーグラウンジのゼニで、ペンギンが太うなったらしまいじゃっちゅうとるんですよ」
(ペンギンの店を襲撃する計画を練るトゥーフェイス)

「ジェイソン・トッドー、おまえもウェインさんに二代目ロビンに据えてもらえー」
(しかしジョーカーの罠で爆殺。後、復讐鬼・山中正治ことレッドフードとして復活)

 

『仁義なきバットマン・ゴッサム死闘編』

 

 

ゴードン本部長「ジョーカーにきっちりケジメつけて下さいよ!」
バットマン「警察がヒーロー焚きつけんのかコラァ!」


『アウトレイジ』風。

 

 

どんどん夢が広がっていくが
どう畳んだらいいのか見当もつかない。

 

 

で、ももさんと映画の話で盛り上がりながら

ちょっといい中華レストランでお昼食べてケーキ買って帰った

楽しく美味しい誕生日でございました。

| 吉川良太郎 | 映画とか | 13:48 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
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